ベトナム人の嗜好に訴える日本産品

日本産品がベトナムの消費者で人気を集めており、両国の企業にとってはチャンスが拡大しています。

イオンはベトナムに進出している最大手の日系スーパーマーケットチェーンの一つです。日本産品はベトナムの人々に人気があり、大都市にはイオンやミニストップ、ファミリーマート、トーキョーデリ、牛角、大阪王将などの日本の小売店やレストランが出店しています。

日本貿易振興機構(JETRO)農林水産食品部長の高橋 和宏氏は、ベトナムは日本の農産品にとって高いポテンシャルを持つマーケットであると説明しました。

ベトナムでは、日本の鮭やマグロ、神戸牛、うなぎの売上が好調ですが、それらの日本産品は一般のベトナム人からの支持を得ています。ベトナムの消費者は、安全性と品質が高い食品に対する出費を惜しまない傾向にあると、専門家は語りました。その結果、ベトナムの日系スーパーマーケットでは新鮮な野菜の売り上げが毎年200%以上も増加しており、今後も力強い成長が見込まれます。食料品に加え、日本の化粧品もその安全性と品質を理由によく売れています。また、日本の投資家によると、ベトナムは全人口9000万人のうち60%が35歳未満の若年層であり、所得の増加が若年層の購買意欲を高めているので、食料品と小売を扱う外国企業にとっては魅力的な市場です。

JETROホーチミン事務所代表の滝本 浩司氏は、ベトナムの消費者からの日本産品の需要と日系資本のサービス、消費、食文化への流入が結びついて、ベトナムでの関連ビジネスの成長に繋がったと説明しました。

この取り組みには日本企業がベトナムで受け入れられるための工夫も見られます。例えば、日本企業はベトナムに食料品を売り込む際に、現地の味覚に合わせる工夫をしてきました。また、コストを削減するために現地の材料サプライヤーと連携し、製品価格の引き下げに取組んできました。

日系最大手スーパーマーケットのイオンはベトナム製品の販売を最優先にしており、商品棚の80%がベトナム製で、残りが日本などから輸入された製品です。

イオンベトナムの代表者によると、日本の小売業者がベトナムにある高品質な製品を消費者に届けるために、イオンのような大手小売業者の流通システムが重要な役割を果たしていると説明しました。このシステムを使えば、ベトナム企業は日本などの国外でブランド力を高めて、国内での販売力強化に繋げることができます。一方で、製品は、日系スーパーマーケットチェーンの棚に陳列される前に、生産者情報を明確にすると同時に食品安全検査を受ける必要があります。

ベトナムの企業は、外国の品質基準をクリアした安全な製品の生産に取り組むことにより、グローバルサプライチェーンに参入することができるのです。