栄養サプリメントは本当に必要か

ラオドン紙(労働新聞)は、国立栄養研究所の臨床栄養学科のグエン チョン フン教授に、子供の栄養サプリメントの摂取について話を聞きました。

ベトナムでの子供に対する栄養サプリメントの使用についてどう考えますか?

栄養サプリメントはベトナムではとても人気があり、過剰な広告で販売促進をしているケースもあり、それを信じて子供に与える親も沢山います。国産品でも輸入品でもドラッグストアや子供用品店、インターネットで簡単に購入できるので、サプリメントを与えすぎてしまうこともあります。

また、医者の指導を受けずにサプリメントを使用するケースも多く、初めは効果があっても、時間と共に効き目が薄れていくため、使用量が増加してしまう危険性もあります。

最近、国立栄養研究所で診察を受ける親子が増えていますが、その理由は、幼少期からの効果的な栄養摂取により成長を促したい人や、サプリメントが効かないので相談に訪れる人など様々です。

ベトナムでは、医者からの指導を受けずに自己判断で薬品や栄養補助食品を購入し、摂取することが一般化しているため、トラブルが絶えない状況なのです。

栄養サプリメントは薬品ではないので、医師からの処方は必要が無いのではないでしょうか?

通常はサプリメントに医師の処方は必要ありませんが、子供に健康上の問題がある場合は医師の助言に沿った処方が不可欠です。多くのサプリメントには複数の栄養成分や微量栄養素が含まれますが、子供によっては特定の栄養素だけが不足している場合もあり、複数の微量栄養素をまとめて与えることが悪影響に繋がることもあります。

微量栄養素が不足している子供に栄養サプリメントが有効に働く場合もありますが、適切な量と頻度で摂取して、それでも効果が得られない場合、または、何らかの問題を引き起こす場合は、医師に相談する必要があります。

栄養サプリメントのを過剰に摂取すると、どのような害があるのでしょうか?

例えば、ビタミンサプリメントの有効成分量はビタミンの水や脂質への溶解量で決まります。水溶性ビタミンの場合、水に溶けて体内から排出することができますが、脂溶性ビタミンを過剰摂取すると肝臓に蓄積して中毒症状になることがあります。

サプリメントに起因するトラブルは、食品による健康問題と同様に、短期的には無害でも、長期的な摂取が害を及ぼすことがありますが、人によってサプリメントへの反応は異なるので、不適切な摂取による有害性を確実に検証するのは難しいのが実情です。

どのような場合サプリメントを摂取したらよいのでしょうか?

原則としてサプリメントを摂取する必要はありませんが、毎日の食生活で十分に栄養を摂取できない場合にはサプリメントの使用を検討して下さい。微量栄養素やビタミンは自然食品に豊富に含まれているので、適切な食生活をしていればサプリメントが無くても健康上のリスクを減らすことができます。