経済学者は、ベトナムは米の輸出が過剰だと語る

経済開発コンサルティングセンター副部長のホアン ゴック フォン氏は、メコンデルタはベトナムから輸出する米の90%、海産物の60%、果物の70%を占めており、その規模はベトナム全体のGDPの18%になると語りました。

一方で、メコンデルタは大規模な開拓と貧弱な開発計画によるペナルティを支払わなければならない状況です。

フォン氏は、農業生産モデルを改善することで、デルタ開発の新たな道筋を見出す必要があると強調して、

「農民が米をどれだけ作っても豊かにならないのはなぜでしょうか。」と述べました。

フォン氏は、メコンデルタはその100万ヘクタールの稲作地を維持するためには、淡水を供給する必要があると考えています。

そのため、「農業は必ずしも米の栽培を意味するものではないので、稲作の面積を妥当な水準まで減らすほうがよいでしょう。国にとっては大きな投資となりますが、農家は利益が出ない以上、低価格で輸出される米製品のためにわざわざ稲作を続けることはできないです。」と述べました。

フォン氏は、塩水の侵入を食い止めるのではなく、メコンデルタは塩水に適応すべきだと考えており、実際に多くの地域では、塩水の侵入に適応した生産方法を導入しています。これまで1年に2回収穫をしていた稲作地を、収穫を1回に減らし、代わりにエビや魚を養殖するのです。

著名な農業専門家であるボー トン スアン氏も、多くの水を必要としない作物の栽培に転換すべきと考えており、

「ベトナム国内の米の需要は約1800万トン程度なので、稲作はもはや最優先事項ではないはずです。これに加えて、200万トンもあれば十分でしょう。」と述べました。

加えて、地下水の過剰採取を要因としたメコンデルタの深刻な地盤沈下について懸念を示しました。沿岸部では、田んぼを灌漑するために地下水が使用されており、1トンを収穫するために4,500リットルの水が必要となります。

また、スアン氏はベトナムの食糧安全を保障するためには、メコンデルタでは、150万ヘクタールの稲作地で3期作ではなく2期作をするだけで十分だと説明し、

「我々が米を作れば作るほど、米は過剰になります。過剰供給は価格低下につながり、結果として農家は利益を得ることができないのです。」と述べました。

ベトナム食糧協会(VFA)によると、ベトナムは9月に2億1,000万ドル相当となる466,000トンの米を輸出し、1月からの9ヶ月間の累計は20.2億ドル相当となる457万トンとなりました。

VFAは、2017年の輸出量は560万トンに達すると予測しました。